「声のかすれ」は<突然死>の前兆。胸部大動脈瘤「脳梗塞」も声に出る。「声の違和感」や「声の出しづらさ」も「脳梗塞のサイン」6

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「声のかすれ」は<突然死>の前兆かもしれない

また、「声のかすれ」と胸部大動脈瘤には、明らかな関係があります。

胸部大動脈瘤というのは、心臓から上半身につながる太い血管の壁にできる瘤(こぶ)のことです。最悪の場合、破裂して体内で出血を起こし、突然死につながる恐ろしい病気なだけに早期発見が重要になります。

では、なぜ声のかすれと胸部大動脈瘤が関係するのでしょうか?

声帯の動きをつかさどる反回神経は胸の大動脈をつつみこむように走っていて、からんだ部分にこぶができると、反回神経が圧迫されて声帯に麻痺が起こります。

声帯はのど仏の内側にあり、カーテンのように左右に分かれる一対の筋肉と粘膜からなっており、左右の声帯を動かしているのが脳から伸びる反回神経です。

左側の反回神経は心臓近くまで下りてから、急カーブして左の声帯につがっているため、大動脈瘤があると圧迫されて、左の生態だけ動きが悪くなり、ピッタリ閉まらなくなるため、声帯のすき間から息が漏れ、かすれ声になるのです。

つまり、本人は「声がかすれてきたなあ、年のせいかなあ」と思っていたとしても、調べてみると実は大動脈瘤だったということがあるのです。

このように、のどの異常は「年のせい」でも「気のせい」でもなくて、重大な病気と関係していることがあります。

「のどの違和感」を感じたら、勝手に「年のせい」と決めつけるのではなく、病院でしっかりと調べてもらうことが「声の健康」、そして「100歳以上まで健康で長生き」を可能にしてくれるのです。

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「脳梗塞」も声に出る

私たちの声は恐ろしい病気の一つである「脳梗塞」の可能性も教えてくれます。

脳梗塞とは、脳の血管が細くなったり、血管に血栓(血のかたまり)が詰まったりして、脳に酸素や栄養が送られなくなるために、脳の細胞が障害を受ける病気です。

脳梗塞は、命が助かったとしても体の麻痺などの重い障害が残ることがあるだけに気をつけたい病の一つです。

私が以前勤めていた病院の耳鼻咽喉科に、「のどが詰まる感じがして、声が出しづらい」という82歳の女性が来られたことがあります。口のなかを見ると、のどの奥の壁が腫れていて、ボコッボコッと脈打っていました。通常、健康な人にこのような症状は見られません。

何とか思ったら、動脈の一つである内頸動脈が曲がって飛び出していたのです。

のどの違和感や声の出しづらさもこれが影響していました。

しかし、問題はそれだけではありませんでした。

内頸動脈は、総頸動脈から分岐して、のどの奥(口のなかの奥にある咽頭の左右)を走り、脳へとつながる細い動脈です。

その内頸動脈が湾曲し、口腔内に飛び出していたのです。

血管が曲がっていると、カーブ部分に血栓ができやすく、頸動脈の場合は、その血栓が脳に運ばれて、脳梗塞となる危険性が高くなります。

私は患者さんに「脳梗塞になるかもしれないから、今すぐ検査したほうが良いです」と言い、内科の医師を紹介しましたが、当日すぐに受診することはありませんでした。

後日、その患者さんが脳梗塞で入院してことを知り、以来、私は頸動脈変位走行異常と脳梗塞の関係を調べるようになりました。

脳梗塞の患者さんの多くは、高齢者に多い前かがみの姿勢で首が前傾していました。

また、加齢により若い頃に比べて頸椎(首の骨)も短くなっていると推測されました。

つまり、前傾姿勢により伸びた内頸動脈が、首が短くなったことで長さが余分になり、湾曲せざるをえなくなり、そのため血栓になりやすい状況となり、脳梗塞の発症につながっていると予想されるのです。

実際、私の調査では65歳以上の初診患者172人中17人に内頸動脈変位走行異常が確認されました。そしてその17人全員に首の前傾があり、かつ脳の内頸動脈の届く範囲に脳梗塞が認められたのです。

この調査から、つぎの3つのリストに一つでも思い当たる人は。「脳梗塞を起こすリスク」を抱えていると考えられるので、注意が必要と言えるでしょう。

1 65歳以上
2 首が前傾している
3 身長が3センチ以上縮んだ

これらに当てはまる人が「のどの違和感」や「声の出しづらさ」を感じていると、「脳梗塞のサイン」である可能性が非常に高いのです。

では、「脳梗塞を起こすリスク」を減らすためにはどうすればよいのでしょうか?

前かがみの姿勢を正して首を真っ直ぐにすることです。

たったこれだけで、脳梗塞になる確率が19分の1になるというデータも出ました。早く直せば直すほど改善が期待できます。

そしてもう一つは急に声を出しづらくなったり、のどに違和感や異物感を覚えたら、頸動脈の変位走行異常を疑って検査を受けることです。

このように、「声の出しづらさ」は「加齢」だけが原因とは限りません。

その奥に「怖い病気」が隠れていることも疑ってみることが大切なのです。

引用文献・参考文献

声をキレイにすると超健康になるー角田晃一氏ー


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