声のせいで「手足に力が入らなくなる」のは、なぜ?「声帯萎縮」「誤嚥性肺炎」「胸郭の固定」の恐れあり。4

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「声が年をとる」原因には、どのようなものがあるのでしょうか?

それは「声帯萎縮」です。
声帯萎縮というのは声帯がやせ細る病気です。加齢などの原因によって、声帯がやせてしまい、左右2枚ある声帯がきちんと閉じなくなります。
その左右のすき間から息が漏れて、声がかすれたり、声が長く続かないという症状が起こります。
すき間から飲み物や食べ物が気管や肺に入りやすくなってしまい、そして、咳をしても排出しにくくなってしまうのです。
その結果、むせたり、時に誤嚥性肺炎などを起こす原因ともなり、さらには重いものが持てなくなることがあります。

年をとると力が弱くなったり、足腰も衰えるため、以前は軽々と持てたものでさえ持ち上げるのが難しくなるのはよくあることです。

そんなとき、「私も年をとったなあ」と「年のせい」「力が衰えたせい」と考えがちですが、実は「力が衰えた」からではなく、「力が入らなくなった」からというのが本当のところです。そしてその原因は「声帯萎縮」にあることが多いのです。

なぜ声帯が萎縮すると力が入れなくなったり、重いものを持てなくなるのでしょうか?
重いものを持ち上げることを競う重量挙げやベンチプレスを想像してみてください。バーベルを持ち上げる瞬間には呼吸を止めています。
バーベルを持ち上げるときには肺に空気を溜めこんで、きょうかくを固定して、手足の筋肉の土台を安定させる必要があるため、呼吸を止めて持ち上げることになります。

きょうかくというのは、胸椎と左右の肋骨、胸骨からなる<かご状>の骨格のことで、いわゆる胸の部分です。内部には心臓や肺、胃などが収まっています。
関節で可動的につながっているため、呼吸運動によって肋骨が上下して、その容積は変化します。
「きょうかくの固定」というのは、声帯を閉じて肺に溜めこんだ空気が逃げないようにして、きょうかくの筋肉を緊張させることですが、そうすることではじめて全身で強い力を出すことが可能になります。

重量挙げやベンチプレスのような本格的な競技はもちろんのこと、私たちが日常生活で重いものを持ち上げるときも、ごく自然にきょうかくの固定を行っています。

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ほかにも、テニス選手でボールを打ち返すときに声が漏れ出すのも同様です。瞬間的にぐっと息を止めることで、力を発揮しているのです。

テニス選手だけではなく、重量挙げの選手がバーベルを持ち上げるときや、卓球の選手がボールを打つときなど、こうした息を止めて力を出す光景はいたるところで見られます。息が漏れて声が出ている光景を見たことがある方もいるのではないでしょうか。

日常生活のなかで、重いものを持ち上げるときを思い出してください。息を止めて、持ち上げていることと思います。そのときに、「よいしょ」と声を出す方もいるでしょう。
お手洗いで力む、起き上がるといった踏ん張りを伴う行為のときにも、無意識のうちに声帯を閉じて力を入れているのです。

これらはいずれも声帯を閉じて肺の空気が逃げないからこそ可能なのです。

ですが、きょうかくを固定する際に、息を止めて肺に力を入れたにもかかわらず、声帯萎縮などで声帯から息が漏れてしまうと、きょうかくを固定できません。

つまり、本来出せるはずの全身の力を出すことができず、重いものを持ち上げようと思っても、力を入れることができないのです。
ここまでのお話でおわりかと思いますが、年をとって若い頃のように重いものを持てなくなるのは、筋肉の衰えもありますが、声帯萎縮によって息が漏れてしまい、力が入らないという原因もあるのです。

「重いものを持つことなんてないし」と声帯萎縮を放置していると、歩くときや体を起こすとき、お風呂からでるときなどに力が入らず、転倒の危険性が高くなってしまうます。

「たかが声」「たかが声帯」と甘く考えていると、日常生活にも大きな支障をきたすことになるのです。

反対に、声帯が萎縮しないように日頃から鍛えておけば、誤嚥性肺炎などの予防につながるだけでなく、「重いものが持てなくなる」「転倒の危険」といったことも防ぐことができるのです。

「声の健康」を守ることは、みんなが「仕方ない」と諦めている「年齢による衰え」を防ぐだけでなく、病気を遠ざけ、健康寿命を延ばすことにもつながるのです。

引用文献・参考文献

声をキレイにすると超健康になるー角田晃一氏ー


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