3「声を健康にしたら、体が健康になり、心も健康になる」ー「声の健康」を守ることは「心と体の健康」を守ること「いつまでも健康で長生きできる」こと

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歌好きが高じて、カラオケ店を営んでいたAさんの話をご紹介します。

Aさんは商売柄、たくさんのお客さまとお話をしますし、歌う機会もおおいため、普段からのどを痛めないように小まめに水分補給を行うなど、のどのケアには人一倍気をつかっていました。ところが、6年ほど前に体調を崩したためカラオケ店を休業したところ、しばらくして声がかすれるようになりました。「風邪でも引いたのかな」と思ったAさんが近くのかかりつけの医院を受診したところ、風邪の初期症状だと言われ、薬をもらって数日間、家で安静にしていました。

ところが、風邪の引き始めと言われたわりにはのども痛くはありませんし、熱が出ることもありませんでした。

「風邪をみんなにうつしたら悪いから」と外出も控えて家でおとなしくしていましたが、「声のかすれ」は一向に良くなる気配がありませんでした。

心配になったAさんは別の内科を受診しましたが、診断は以前と同じでした。「声がかすれて出にくいんですが」と訴えても。医者は口を開けてのどを診て「特に異常はありません。風邪でかれているだけでしょう」と診断しました。

「おかしいな」と思いながらも、「お医者さんがそう言うのなら」とさらに数日、自宅でゆっくりと休んでいました。ところが、日が経つにつれて声の調子はどんどん悪くなっていきました。ついには声がほぼ出なくなり、ささやき声ほどの大きさにまでなりました。

自分の思っていることが相手に伝わらないことほどつらいことはありません。Aさんは接客業を営んでいたほどですから社交的で明るい性格です。

初対面の方とも気さくに話すことができますが、声が思うように出なくなったことで人と会うのが億劫になり、ますます家に引きこもるようになりました。

最近顔を見ないことを心配した知人が訪ねてきても「話をするのがつらいから」と、あいさつ程度で、会話をすることはありませんでした。あんなに明るく元気なAさんがすっかり変わってしまったことを心配した知人が、耳鼻咽喉科を受診するように薦めてくれました。

患者として私のところを訪れたAさんの声は、すでにほとんど聞き取ることができず、筆談が必要なレベルでした。

すっかり元気もなくなっていたのです。

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診察の結果は「声帯萎縮」

元気な頃のAさんは、接客、カラオケとむしろ使いすぎるほど声帯を使っていました。ところが、体調を壊してカラオケ店を休業してからはほとんど人と話すことがなくなり、大好きなカラオケも歌わなくなりました。

さらに「風邪の初期症状です」と言われたため、Aさんはのどを守ろうとさらに話をしなくなりました。

結果、ほとんど使わなくなった声帯と声帯を動かす筋肉が衰えて声帯萎縮を起こし、声を出そうとしてもすき間から空気が漏れてしまい、かすれ声になってしまったのです。

そしてしっかりと話せないことを悩んだAさんは、家に引きこもるようになり、声帯もさらに衰えたのです。これはまさに「負の連鎖」です。人は「会話」をしなくなると、「声帯」が衰え、声がかすれて、それを気にして「会話」をしなくなり、気持ちまで憂鬱になっていくのです。

では、反対に「ピシッと声トレ」などで「声帯」が回復したらどうなるのでしょうか?

「声帯」が回復すると、「声の健康」を取り戻し、「会話」や「歌」を楽しむことができるようになります。明るさ、元気さを取り戻し、気持ちも晴れやかになるのです。これが「声を健康にしたら、体が健康になり、心も健康になる」ということです。「会話を楽しむ」のは人間にだけ許された特権なのです。

「最近、声がかすれてきたなあ」「声が思うように出ないなあ」といった「声の異変」に気づいたら、すぐに耳鼻咽喉科に相談することです。

そこには思わぬ病気が隠れていることもあれば、「声の異変」から始まる「気持ちの落ち込み」も待ちかまえているかもしれません。

「声の健康」をしっかりと守ること、それは「心と体の健康」を守ることであり、「いつまでも健康で長生きできる」ことなのです。

引用文献・参考文献

声をキレイにすると超健康になるー角田晃一氏ー


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